クリア塗装とは?特徴やメリットデメリットをわかりやすく解説
外壁塗装には、さまざまな種類があります。そのなかでも「クリア塗装」は、建物の美観を活かしながら保護できる塗料です。また、クリア塗装は透明な塗料を使用するため、外壁のデザインや素材感をそのまま残せるのが特徴です。本記事では、クリア塗装の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
外壁の美観を活かすクリア塗装の特徴
クリア塗装は、外壁のデザインをそのまま活かしながら保護する方法として注目されています。
クリア塗装とは、顔料を含まない透明な塗料を使用する塗装方法です。この塗装方法は、既存の外壁の風合いや意匠性を維持できるのが大きな特徴です。色を塗り替えるのではなく、外壁の美観をそのまま残しながら劣化を防ぐため、デザイン性の高い建物にも適しています。
クリア塗装に向いている外壁
クリア塗装は、比較的劣化の少ない外壁に適しています。透明な塗料のため、ひび割れやチョーキング(表面が白く粉を吹く現象)が起きている外壁に施工すると、その劣化がそのまま見えてしまうからです。
そのため、外壁の状態が良いうちにクリア塗装を施すことで、美観を長持ちさせることができます。また、窯業系サイディングの外壁には、クリア塗装がよく選ばれます。窯業系サイディングにはレンガ調やタイル調、石目調など、デザイン性の高いものが多いので、これらの模様を残したい場合にクリア塗装が最適です。
通常の塗装では色を塗り替えてしまうため、サイディングのデザインが隠れてしまいます。しかし、クリア塗装なら元の意匠性を維持しながら、耐久性を向上させることができます。
クリア塗装の魅力とは?外壁を美しく保つメリット
クリア塗装は、外壁のデザインを活かしながら保護できる点が人気を集めています。透明な塗料を使用するため、色を塗り替えるのではなく、既存の外観を維持したまま外壁を守ることが可能です。ここでは、クリア塗装のメリットを解説します。
チョーキング現象が発生しにくい
外壁塗装が劣化すると、塗膜が白い粉を吹く「チョーキング現象」が発生します。これは、塗料に含まれる顔料が紫外線や雨風の影響で分解されることで起こる現象です。
しかし、クリア塗料には顔料が含まれていないため、チョーキングの発生を防げます。そのため、長期間にわたって塗膜の劣化を抑え、美観を維持しやすくなるのが大きな特徴です。
外壁のデザインや質感をそのまま活かせる
クリア塗装の最大の特徴は、外壁のデザインを損なわずに保護できる点です。通常の塗装では、外壁全体を新たな色で塗り替えるため、元の柄や質感が隠れてしまいます。しかし、クリア塗装なら、レンガ調・タイル調・石目調などのデザインをそのまま残すことが可能です。とくに、意匠性の高い窯業系サイディングには最適な塗装方法といえるでしょう。
美しい艶を与えられる
クリア塗装を施すことで、外壁に艶や光沢が生まれ、見た目がより美しくなります。塗料の種類によっては、光沢の度合いを選ぶこともでき、マットな仕上がりから高光沢まで好みに合わせて調整可能です。
また、防汚性の高い塗料や紫外線をカットする機能を持つ塗料を選ぶことで、艶を長持ちさせながら外壁をより効果的に保護することもできます。
クリア塗装の注意点とは?知っておきたいデメリット
クリア塗装には、外壁のデザインを活かしながら保護できるメリットがあります。しかし、すべての外壁に適しているわけではありません。施工する際には、デメリットを理解した上で判断することが大切です。ここでは、クリア塗装の注意点について詳しく解説します。
外壁の劣化がそのまま透けてしまう
クリア塗装は透明な塗料を使用するため、外壁のデザインを維持できる反面、汚れやひび割れといった劣化もそのまま残ってしまいます。
チョーキング現象が発生している外壁に施工すると、仕上がりがぼやけたり、塗膜がうまく密着せずに剥がれてしまう可能性があります。そのため、クリア塗装を行うなら、外壁が比較的きれいな状態のうちに施工するのが理想的です。
ひび割れの補修には向かない
クリア塗装には、外壁の表面をコーティングして劣化を防ぐ役割がありますが、ひび割れを補修する機能はありません。
すでにひび割れが発生している場合、クリア塗装を行っても隠すことはできず、むしろ目立ってしまうことがあります。また、補修を施したとしてもその跡が透けて見えてしまうため、塗り替えによるリフレッシュを希望する場合には一般的な塗装のほうが適しているでしょう。
施工できない外壁もある
クリア塗装は、すべての外壁に適用できるわけではないことを理解しておきましょう。
とくに光触媒コーティングや無機塗料、フッ素塗料が施されている外壁には塗料が密着しにくく剥がれやすくなるため、クリア塗装は推奨されません。このような外壁に塗装を行う場合は、事前に塗料との相性を確認し、必要であれば別の塗装方法を検討することが重要です。
まとめ
クリア塗装は、外壁のデザインや質感をそのまま活かしながら、美観と耐久性を向上させる魅力的な塗装方法です。チョーキングが起こりにくく、艶を出せるといったメリットがあります。しかし、劣化が進んだ外壁には向かず、施工できない素材もあるため注意しましょう。クリア塗装を検討する際は、外壁の状態をしっかり確認し、適切なタイミングで施工することが重要です。美しい外壁を長持ちさせるために、自分の建物に最適な塗装方法を選びましょう。