外壁塗装とコーキングの関係とは?役割や交換時期の目安を解説

公開日:2025/09/15  

外壁塗装 コーキング

外壁塗装を検討する際に注目すべきポイントのひとつが「コーキング」です。コーキングは外壁の目地や隙間を埋め、建物内部への雨水や湿気の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。この記事では、外壁塗装におけるコーキングの役割や目的、交換時期の目安についてくわしく解説します。

コーキングとは?基礎知識を理解しておこう

コーキングとは、建築物において隙間を目地材などで充填し、気密性や防水性を高めるための施工を指します。英語の「caulk(コーク)」を語源とし、「隙間を埋める」「詰め物をする」といった意味合いで、建築分野をはじめとするさまざまな業界で使われている言葉です。

また、外壁塗装でいう「コーキング(シーリング)」とは、外壁のボード同士の継ぎ目や、窓枠と外壁の接合部分などにできる隙間に、コーキング材と呼ばれる専用の充填材を注入する作業のことをいいます。このコーキング材は、ゴムのようなやわらかさと弾力性をもっており、建物の動きに追従しながら隙間をしっかりとふさぎます。

なお「コーキング」と「シーリング」はほぼ同義語として扱われることが多く、地域や業者によって呼び方が異なる場合もありますが、基本的には同じ意味をもちます。外壁塗装を行う際は、このコーキングの作業が重要な工程のひとつとなるのです。

外壁塗装におけるコーキングの役割とは?

コーキングは目地の隙間を埋めるだけではなく、外壁材の保護や建物内部への水の侵入防止など、さまざまな面で建物の耐久性に大きく関わっています。以下でくわしくみていきましょう。

外壁材の衝撃をやわらげるクッションとなる

コーキング材は、シリコンなどの樹脂でつくられており、ゴムのような弾力と伸縮性をもっています。この柔軟性により、サイディングボードなどの継ぎ目に充填されたコーキングは、外壁材が地震や温度変化などの衝撃を受けた際に、クッションのような働きで力を吸収し、外壁の破損を防ぎます。

日々見えないところで外壁はさまざまな負荷を受けていますが、コーキングがそれを和らげることで、建物全体を守っているのです。

水の侵入を防ぎ、建物の劣化を抑える

建物の劣化を早める大きな原因のひとつが「水分」です。コーキングは外壁の目地や隙間を埋めることで、雨水や湿気が内部に浸透するのを防ぎ、建物を湿気から守る防水の役割を果たします。

とくにサイディングや窓枠の隙間など、水が入り込みやすい部分にコーキングを施すことで、建物の耐久性を高め、長期にわたって健全な状態を保つことができます。

外壁材の隙間をふさぎ、破損のリスクを軽減する

サイディングボードやALCパネルを隙間なく施工することは難しく、どうしてもボード同士の間に隙間ができます。これを放置すると、雨水の侵入により建物内部が湿気を帯び、寿命が短くなる恐れがあります。

コーキング材は弾力性に富んだゴム状の素材で、ボード間の隙間を埋めると同時に衝撃を緩和し、破損を防いでくれるのです。

ひび割れ部分の補修材としても活躍

サイディングやモルタル壁に発生するひび割れ(クラック)の補修にも、コーキングは有効です。とくにサイディング外壁では防水シートが下部に設けられていますが、ひび割れを長く放置すると、いずれは雨水が内部に浸透し、建物の構造体にまで影響を与える可能性があります。

コーキングを用いた早めの補修は、建物全体の寿命を延ばすためにも大切です。

コーキング劣化のサインとは?放置によるリスクにも注意

外壁塗装の際に重要なコーキングですが、時間の経過とともに劣化していくため、定期的な点検が欠かせません。ここでは劣化のサインと注意点をご紹介します。

コーキングは外壁材よりも劣化しやすい素材

一般的な住宅で使われるコーキングの寿命は5~10年程度とされています。これは、外壁材と比べてコーキング材はやわらかく、ゴムのような性質があるため、外部環境の影響を受けやすいからです。

とくに紫外線や雨風にさらされ続けることで、日々少しずつ劣化が進行します。南向きの壁のように直射日光を多く浴びる箇所では、コーキングの劣化が早くなる傾向にあります。

「ひび割れ」や「肉やせ」が交換のサインである

コーキングの劣化サインとして代表的なのが「ひび割れ」と「肉やせ」です。ひび割れは、紫外線の影響でコーキング材が本来の弾力性を失い、細かな割れ目が表面に現れる現象です。とくに直射日光を受けやすい南面の外壁やベランダ部分で多く見られます。

また、肉やせはコーキング材に含まれる成分が抜けていくことで発生し、充填部分が細くなってしまう現象です。施工時の材料不足や不適切な処理が原因となることもあり、進行すると剥がれやすくなってしまいます。

劣化を放置すると外壁や建物本体へのダメージも

劣化したコーキングをそのままにしておくと、そこから雨水や湿気が侵入し、外壁の防水性が大きく低下します。さらに、長期間放置すると、建物の構造部分にまで影響を及ぼし、木材の腐食や断熱材の劣化を招く可能性もあります。

コーキングのひび割れや肉やせなどのサインを見つけたら、早めに修繕することが大切です。外壁塗装の専門業者や工務店などに相談し、適切な処置を施すようにしましょう。

まとめ

コーキングは外壁塗装の仕上がりだけではなく、建物の耐久性や快適性にも深く関わる重要な要素です。見た目ではわかりにくい部分だからこそ、正しい知識をもち、劣化のサインに気づくことが大切です。ひび割れや肉やせなどの症状を放置すれば、雨水の侵入や構造体の劣化といった大きなトラブルに発展する恐れがあります。外壁塗装を検討する際には、コーキングの状態にも目を向け、必要に応じて専門業者へ点検を依頼しましょう。

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