外壁塗装に欠かせないプライマーとは?役割や重要性を解説

公開日:2025/02/15   最終更新日:2025/02/16

外壁塗装 プライマー

外壁塗装を検討していると「プライマー」という単語を耳にすることがあるでしょう。プライマーは塗装の下地として使用される塗料で、塗料の密着力を高めたり、下地の吸収を抑えたりする重要な役割を担っています。本記事では、プライマーの役割や種類について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

プライマーとは

プライマーとは、外壁塗装の下塗りに使用される塗料の一種です。下塗り塗料は、仕上げ塗料を外壁にしっかり密着させるために欠かせないもので、塗装の安定性を高める重要な役割を担っています。

「プライマー」という言葉は、英語の「primary(最初の)」が語源です。その名の通り、塗装の最初に行われる工程を指します。下地となるプライマーをしっかり塗ることで、塗料の密着力が向上します。

また、仕上がりの美しさや耐久性が左右されるため、外壁塗装において非常に重要な工程です。そして、プライマーには種類があります。適切なプライマーを使用することで塗装の持ちがよくなり、外壁の美観や保護機能が長く維持されます。

塗装で使われるプライマーの種類と特徴

塗装に使用されるプライマーには、さまざまな種類があります。そのため、塗装する素材や目的に応じて適切なものを選ぶことが重要です。下地を整えるプライマーは、それぞれに異なる特性があります。ここでは、代表的なプライマーの種類について紹介します。

金属を守る防錆プライマー

金属素材の塗装には、防錆機能を備えたプライマーがよく使用されます。このプライマーには防錆顔料が含まれており、塗装面の密着力を向上させながらサビの発生を防ぐ役割を持っています。

本来、サビを取り除くには表面を研磨する必要がありますが、防錆プライマーを使用することで塗るだけでサビの進行を抑えられます。これにより、手間やコストの削減にもつながるでしょう。とくに、鉄製の外壁や金属製品の塗装には欠かせないプライマーです。

劣化した素材を補強する浸透性プライマー

浸透性プライマーは、コンクリートやモルタルなどの塗装に適した種類で、下地に深く浸透する特徴があります。劣化が進んだ外壁に塗布することで内部から強化し、塗装の耐久性を高めることが可能です。

とくに雨風や凍結によるダメージを受けやすいコンクリートにこのプライマーを使用することで、塗料の剥がれを防ぎ、長持ちさせる効果が期待できます。建物の寿命を延ばすためには、適切なプライマーの選択が重要です。

静電気を抑える導電性プライマー

静電気が発生しやすい環境では、導電性プライマーが良いでしょう。電気を通しやすい性質を持つこのプライマーは、静電気の蓄積を防ぎ、火災や機械の誤作動を防ぐ効果があります。

とくに精密機械を扱う工場や薬品を取り扱う施設では、静電気によるトラブルを避けるために、フロアや壁面に導電性プライマーの使用が推奨されています。また、静電気によるホコリの吸着を抑えることができるため、クリーンな環境を維持するためにも活用可能です。

プライマーを使わない場合に起こるリスクとは

外壁塗装において、プライマーは塗料の密着を高め、仕上がりの美しさや耐久性を向上させる重要な役割を担っています。しかし、コスト削減や手間を省く目的でプライマーを使用せずに塗装を行うと、さまざまなトラブルが発生するかもしれません。

ここでは、プライマーを使わなかった場合に起こり得るリスクについて解説します。

塗装がすぐに剥がれる原因に

プライマーは外壁と塗料のあいだに接着層を作り、塗料を定着させる役割を持っています。そのため、プライマーを使用しない場合は塗料の密着性が低下し、剥がれやすくなるリスクが高まります。

とくに紫外線や雨風の影響を受ける外壁では、塗膜が劣化しやすく、通常よりも早い段階で剥がれや浮きが発生する可能性が高くなるでしょう。また、プライマーなしで塗装すると、チョーキング現象(外壁を触ると白い粉が付く状態)が早期に起こりやすくなり、塗装の耐久性が著しく低下することにもつながります。

仕上がりのムラが目立ちやすい

プライマーには、外壁の細かい凹凸や傷を埋め、塗装面を均一に整える役割があると上記で紹介しました。つまり、この工程を省くと外壁の素材によって塗料の吸収率にムラが生じ、部分的に色の濃淡や光沢の違いが発生しやすくなります。

また、プライマーは上塗り塗料の過剰な吸収を防ぐ効果もあるため、使用しないと塗料が下地に吸われ、不均一な仕上がりになるリスクが高まります。塗装の仕上がりにこだわる場合、プライマーの使用は欠かせません。

発色が悪くなり、理想の色合いにならない

プライマーには、上塗り塗料の発色を良くする効果もあります。とくに、明るい色や鮮やかな色を使用する場合はプライマーを省略すると下地の色が影響し、理想通りの発色にならないことがあります。

また、外壁の素材によっては塗料が均一に乗らずに色ムラやくすみが発生し、新しく塗装したはずなのに古びた印象になってしまうこともあるでしょう。塗料本来の美しい色を引き出し、長期間その状態を維持するためにも、プライマーの使用は必須です。

まとめ

プライマーは、塗装の仕上がりや耐久性を左右する重要な下塗りの塗料です。状況に合った適切なプライマーを使用することで、塗料の密着性が向上し、美しい仕上がりと長持ちする塗膜を実現できます。防錆・浸透・導電性など、用途に応じた種類を選ぶことが大切です。一方でプライマーを使わないと、塗装の剥がれやムラ、発色不良などのリスクが高まります。塗装の効果を最大限に引き出すためにも、適切なプライマーを選び、正しい手順で施工することが重要です。

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